立共共闘には先がないという残酷な現実

衆院選から一月ほど経過しました。立憲民主党では代表選が行われていますが、4候補とも立共共闘路線を継続する意向なので、立憲民主党は共産党との共闘を続けるのでしょう。しかし、残念ながらこの路線に先はありません。それは、簡単な計算をすれば分かります。

各政党支持者の投票率

使う数字は、通常(有権者全体を対象にした調査)の政党支持率と先の衆院選の出口調査(投票した人のみを対象にした調査)における政党支持率、衆院選の投票率です。これらの数値から、各政党支持者の投票率を以下の式で計算することができます。*1

計算結果

この式で計算すると、自民党支持者の投票率はほぼ全体の投票率と同じ60%弱となります。自民党支持者は、良くも悪くも有権者全体と似たような傾向なのでしょう。また、無党派層の投票率は30%弱とかなり低くなります。特定の政党を支持していないということは、政治に興味がない人も多いでしょうから、投票率が低いのも納得です。
これに対し、立民支持者の投票率は90%近く、共産支持者の投票率も80%近くあります。つまり、自民支持者の半分近くが棄権し、立民/共産支持者のほとんどが投票したにも関わらず、あの結果なのです。このまま共闘を続けても政権交代ができないことは明らかなのですが、立憲民主党の代表候補者は立共共闘を続けるようです。もはや、彼らには政権交代をする気がないとしか思えません。

計算に使用した数値

計算には、以下のサイトの数値を使用しました。

• 通常の政党支持率*2
  • 選挙前:各党支持率・内閣支持率・衆院選投票に行く？ NHK世論調査 | NHK政治マガジン
  • 選挙後:政党支持率 自民39.5％ 立民8.2％ 内閣支持率は上昇 | NHK政治マガジン
• 出口調査の政党支持率
  • 立民と共産の協力に温度差、出口調査分析…無党派層は維新支持増える : 衆院選 : 選挙・世論調査 : 読売新聞オンライン

*1:ある政党の支持者全員が投票した場合、A=(通常の政党支持率)/(衆院選の得票率)が投票者全体の政党支持率になるはずです。しかし、投票者全体の政党支持率は出口調査の政党支持率なので、(出口調査の政党支持率)/A=(出口調査の政党支持率)×(衆院選の投票率)/(通常の政党支持率)で各政党支持者の投票率が計算できます。

*2:通常の政党支持率は選挙前後でそこそこ変わっているので、両方で投票率を計算して低い方を基準に結果を示しました。