rukbatの世界分散投資

30代後半のサラリーマンが国際分散投資で早期退職を目論むブログです。

現役世代はなるべく配当を受け取ってはいけない

日々、働いてキャッシュフローを得ている現役世代にとって、アーリーリタイアするという人生は憧れるものがあります。このとき、その後の数十年の人生を考えた場合、貯金を取り崩して生活していると、貯金が尽きるまでに死ねるかという本末転倒なことを考えてしまいます。そこで、株式の配当のように、働かなくても継続してお金がもらえる仕組みは非常に安心感があります。このため、アーリーリタイアを目指して、安定して配当を出すアメリカの高配当株に投資し、配当の再投資を繰り返す戦略を取っている方も多いと思います。
しかし、この戦略は適切でないと私は思います。*1

安心感を買うために税金を払う?

配当は毒入りの蜜

確かに、配当金という定期的に受け取れるお金がだんだん増えていくことは、単に証券会社のホームページの資産評価額が上下しているのを見るよりも、着実にアーリーリタイアへ近づいて行っている実感がわきます。しかし、この精神的な安定を手に入れるために支払っているコストにも、目を向けるべきだと思います。そのコストとは、税金です。アメリカ株の場合、配当金の受け取りごとに、アメリカで10%、日本で20%、合わせて30%もの税金がかかります。外国税額控除を受けて、アメリカに払う税金の半分が返ってきたとしても約25%も税金で取られます。配当利回りを2%としたら、投資総額から毎年0.5%を税金として支払うことになります。去年より配当が増えたことにニンマリするために、0.5%もの税金を払うのは、合理的とは思えません。

高配当戦略で税金もアップ

当然、この比率は配当が多いほど高くなるため、高配当戦略を取るともっと大きくなります。例えば、アメリカの高配当株に投資するVYMというETFの分配利回りは3%程度ですから、毎年0.75%が税金として取られていきます。
このように、資産形成途中の現役世代にとって、配当を受け取ることは百害あって一利なしです。もし、高配当戦略を取るなら、VYMではなく楽天VYMを買うべきだと思います。

自分年金は投資信託の定期解約で

将来、リタイアした時に、元本を取り崩さずにキャッシュフローを得られるという理由で、VYMに投資している方も多いと思います。いわゆる自分年金としてのニーズです。しかし、これについても楽天VYMで代替できます。方法は簡単で、証券会社に定期解約を申し込めばいいだけです。

小額の解約なら元本は減らない

解約すると元本が減って、持続性に疑問が残るかもしれません。しかし、年間の解約額を、VYMの分配利回りから税金と楽天に払う信託報酬等を引いた額以下に抑えれば、楽天VYMを通して保有するVYMの株数は変わらないため、持続性も問題ありません。
具体例で考えると、ある時、VYMが1株5,000円*2で、楽天VYMの基準価額が20,000円だったとします。このとき、楽天VYMを100,000口持っている人は、VYMを40株持っているのと同じ事になります。
このとき、VYMから1株250円(5%)の分配金が出たとしましょう。そうすると、楽天VYM100,000口には10,000円の分配金が出ます。楽天VYMはこの10,000円でVYMを2株買い増しますから、楽天VYMを100,000口はVYM42株と同じになります。つまり、楽天VYMは、VYMから分配金が出るたびに、楽天VYM1口あたりのVYMの株数が増えていきます。ですから、分配金の範囲内で楽天VYMを解約しても、この増えた2株を売っただけで元の40株は減りません。
このため、楽天VYMを分配利回りの範囲内で解約するという手法は、ずっと続けていけることになります。

解約の方が税金も有利

また、分配金と同額を解約した場合、解約の方が、日本への税金が安くなります。それは、分配金は全額が所得として課税されますが、解約で得たお金は購入代金を引いた額にしか課税されないからです。
また、分配金は有無を言わさず支払われるため、使わなかった分は、税引き後に再投資する必要があります。しかし、楽天VYMなら使わない分は解約額を減らしてやれば、日本での課税を回避して効率よく資産を増やせます。

このように、ETFではなく無分配投資信託を使うと、資産形成期だけでなく、取崩し期にも有利な配当生活が送れます。

結論

  • 現役世代はVYMより楽天VYMを買うべき。

*1:この記事は、高配当戦略(高配当株への集中投資が市場平均に対して優位だとする考え方)を否定しているのではなく、高配当戦略をとっても配当金を受け取らないようにすべきと主張しています。

*2:為替変換が面倒なので、VYMの価格や分配金も円建てで考えます。