rukbatの世界分散投資

30代後半のサラリーマンが国際分散投資で早期退職を目論むブログです。

それでも住宅ローンの支払いは先送りした方がいい

こんな記事を読みました。
moneyforward.com
要約すると、住宅ローン控除で利息以上の税額控除がある(頭金を入れず、なるべく借入額を増やした方が得をする)場合でも、住宅資金として貯めたお金を使ってしまう恐れのある人は、住宅ローン控除が終わってから繰上げ返済と考えず、頭金を入れた方がいい、という内容です。その理由は、

相談者さんのようにこれから教育費がかかってくるご家庭では、大学進学の資金などが必要になり、やむなくマイホーム資金を取り崩して支払うというようなことも起こりえるでしょう。(中略)
教育だけではなく、介護や病気などでも起こり得ます。ですから「10年後」にお金が残っているかどうかは、まったく保証されていないのです。

ということです。
この意見は、もっともらしく見えますが、私はこの意見に反対です。

現金を持っていないリスクは高い。

確かに、住宅ローン控除が終わる10年後に頭金が残っている保証はありません。しかし、リスクは頭金を支払っていた場合の方が明らかに大きくなります。なぜなら、教育や介護、病気などで想定外の出費が必要になったとき、頭金を支払っていればどうしようもなくなるからです。すでに頭金として支払ってしまったため、取り崩せる貯金はありません。その時点で家を売ってお金を得るか、お金が必要なイベントを諦めるくらいしか選択肢が無くなります。

現金を持っていれば取り崩して再起を計れる。

一方、頭金を支払わずに残しておけば、それを切り崩して急場をしのぎ、リタイアまでに回復する可能性を残せます。配偶者が働きに出たり、副業を始めたり、節約したりという対策を取れるのです。その結果、リタイアまでに回復できれば万々歳です。しかし、回復できなくても、その時点で家を売って小さな家に住み替えれば良いだけです。リタイアする頃には、子供も独立して大きな家が必要なくなっている可能性も高くなります。

このように、頭金を支払っていれば、大金が必要なイベントが発生した時点で住み替えが必要になりますが、支払いを後送りしていれば、回復する努力をしたり、住み替えの時期を調整したりすることができるようになります。

入金は早く、出金は遅く。

入ってくるお金はなるべく早く受け取り、出ていくお金はなるべく遅く支払うというのは、経済の鉄則です。今日支払う1000万円と10年後に支払う1000万円では、前者のほうが圧倒的に価値が高いのです。ですから、支払いを10年後に伸ばしたければ、通常は利子を取られます。しかし、現在、住宅ローン控除とマイナス金利政策のおかげで、10年後に支払ったほうが支払総額が少なくなるという、通常ならあり得ない状況になっています。この状況はできる限り使うべきだと思います。
また、使ってしまうかもしれないから、頭金を支払うという、一見、先のことを考えているような行為は、実は、今後に起こるかもしれないリスクを考えていない馬鹿げた行為だと言えるでしょう。