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30代後半のサラリーマンが国際分散投資で早期退職を目論むブログです。

SBI証券が一般信用短期売りの期限を延長

SBI証券が、一般信用短期売りの期限を延長しました。いらないことをしやがって、というのが正直な感想です。
どこよりも早く!一般信用短期売りを活用した「つなぎ売り」ができる!www.sbisec.co.jp

優待クロスとは

一般信用短期売りは、いわゆる優待クロスによく使われます。優待クロスとは、株主優待を実施している企業の株を、権利付最終日に現物と信用売りで同数ずつ持っておく投資法です。現物だけを持っていると、配当金と株主優待を得ることができますが、権利落ちすると株価は下がることが多いため、全体として儲かるかは時の運です。しかし、ここで、信用売りを同時に持っていると、配当金相当額を取られますが、株価が値下がりした分、信用売りで儲かります。結果として、配当と株価の変動では損益ゼロになります。ただし、証券会社に売買手数料や貸株料を支払う必要があるため、金銭的にはマイナスになります。しかし、株主優待は受けられるため、株主優待で得られる利益が手数料を上回れば儲けることができます。
言いかえれば、通常なら権利落ち後の株価下落という予想できないコストを、信用売りによって手数料という予測可能なコストに変える手法です。

一般信用売りと優待クロス

信用取引には、制度信用と一般信用の二種類があります。優待クロスをする場合、この二つの大きな違いは、逆日歩があるかどうかです。信用売りが多過ぎる場合、制度信用はお金を払って株主から株を借りてきて、それを貸してくれます。この時に株主に払ったお金が逆日歩で、信用売りを行った人が支払う必要があります。また、逆日歩は信用売りが約定した次の日にならないといくら必要か分からないため、せっかく優待クロスでコストを事前に固定しようとしたのに、不確定な別のコストが必要になります。
そこで、優待クロスを行う場合は、通常は一般信用を使います。一般信用は証券会社が株を貸してくれるのですが、早い者勝ちで株を貸し、貸す株が無くなればそれ以後は信用売りができなくなるだけで、制度信用のような逆日歩はありません。優待クロスをするならば、一般信用を使うことが鉄則です。

信用売の期限が伸びるコストが増える

これまで、SBI証券の一般信用短期売りの期限は5日でした。そして、申し込み順に信用売りができることから、人気のある優待銘柄は、権利落ち日の4営業日前(フライングクロスをするなら5営業日前)に信用売りを約定する必要がありました。一般信用の注文は、前日の19時から出せるようになるので、人気の優待銘柄をクロスするには、6営業日前の19時に急いで発注するというのが一般的でした。
ところが、一般信用短期売りの期限が15営業日に延びると、確実に売りたければ15営業日前に発注しなければなりません。しかし、そうすると貸株料を支払う期間が増えるため、コストが上がります。遅すぎると売れませんが、早すぎるとコストがかさむというジレンマの中、いつ注文を出すかを悩まなければなりません。6営業日前19時の一発勝負なら、悩む必要などなかったのですが、本当にいらないことをしてくれたものです。