rukbatの世界分散投資

30代後半のサラリーマンが国際分散投資で早期退職を目論むブログです。

日本の株高はアベノミクスのおかげでは無いのか?

ここ数年の日本の株価上昇について、アベノミクス(金融緩和政策)の成果だと多くの方が考えていると思います。そのような考え方に対し、真っ向から反対する記事を見つけました。
www.toushin-1.jp
この記事には以下のような記述があります。

アベノミクスによる金融緩和などは、そもそも消費が拡大するトレンドの中にあって、その流れをほんの少し刺激しているに過ぎません。

http://www.toushin-1.jp/articles/-/4385

確かに、現在は「消費が拡大するトレンド」にあることは確かだと思います。しかし、「その流れをほんの少し刺激しているに過ぎません」というのは、金融政策の効果を過小評価しているように思います。

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景気は46歳人口によって決まる?

冒頭の記事では、46歳人口がピークを迎えていることを根拠に、現在を「消費が拡大するトレンド」にあるとしています。46歳人口と消費に相関があるというのは、直感的には理解しづらいと思います。しかし、この理屈は「人口増加国は景気が良くなる」という考え方の亜流で、人口の中でも、特に子育て等で消費を増やさざるをえない46歳の人口が多いほど、その国の消費は増えるという考え方です。消費が増えれば景気は良くなりますから、46歳人口が多ければ景気が良くなるという理論は納得が行くものです。

リーマンショック後、日本の46歳人口は増え続けている

それでは、現在の景気拡大は46歳人口増加の恩恵で、金融緩和はほとんど意味を成さないのでしょうか?私は、この考え方には反対します。その根拠は、リーマンショック後の46歳人口と株価の推移です。一例として、日本とアメリカの46歳人口と株価の推移*1を示します。
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日本は、丙午にあたる1966年生まれが46歳になる2012年を除いて46歳人口は増え続けています。一方、アメリカの46歳人口はほぼ横ばいです。しかし、株価は逆にS&P500が2009年を底に回復していったのに対し、TOPIXが本格的に回復したのは2013年以降です。この理由として、アメリカがリーマンショック後すぐに金融緩和にかじを切ったのに対して、日本では安倍政権誕生まで待たなければならなかったことが大きいと思います。この結果を見る限り、46歳人口よりも金融緩和の効果の方が遥かに大きいと言わざるをえません。
このような理由から、

アベノミクスによる金融緩和などは、そもそも消費が拡大するトレンドの中にあって、その流れをほんの少し刺激しているに過ぎません。

http://www.toushin-1.jp/articles/-/4385

という考え方は、金融緩和の効果を過小評価しているように思います。大きな流れとして46歳人口や総人口の増減による景気変動はあるのでしょうが、政策による調整も同じくらい重要だというのが実際のところではないでしょうか?

*1:日本の46歳人口は、2013年の年齢別人口構成のデータをもとに2013年の45歳人口を2014年の46歳人口としました。アメリカの46歳人口は、2010年の年齢別人口構成のデータをもとに同様の方法で求めました。株価はTOPIXとS&P500の各年の初値を用いました。各数値は2007年を100として指数化しました。