rukbatの世界分散投資

30代後半のサラリーマンが国際分散投資で早期退職を目論むブログです。

外国に投資するファンドの多重課税問題

前回の記事で触れたように、外国に投資する投資信託は、多重課税の問題が発生します。今回は、このような投資信託の税金について考えてみたいと思います。
なお、以下の内容は私が色々なも調べた結果ですが、間違っている可能性もあります。もし、間違いがあればコメントやお問い合わせページでご指摘いただければ幸いです。

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株式に直接投資した場合の税金

まず、株式に直接投資した場合を考えます。株式に直接投資した場合は、配当金と売却益の二種類の所得が発生しますが、それぞれに税金がかかります。しかし、日本の株式に投資した場合と外国の株式に投資した場合で税金のかかり方が違うのでそれぞれについて見ていきます。

日本の株式に投資した場合


日本の株式に投資した場合、上図のように売却益、配当金とも国内で税金がかかります。ただし、売却益と配当金では税金の支払い方が違います。具体的には、売却益は確定申告をして支払います*1が、配当金は税金が源泉徴収されて、税引後の金額が支払われます。
余談ですが、売却益は自分で売却するというアクションを取らないと発生しませんが、配当は知らないうちに発生することもありますので、売却益は申告、配当金は源泉徴収という制度は合理的だと思います。
それはともかく、日本の株式に投資した場合は売却益も配当金も日本でしか税金がかからないので二重課税になりません。

外国の株式に投資した場合の税金


外国の株式に投資した場合は、上図のように、まず相手国の制度か日本と相手国の間の租税条約に従って課税され、残った利益に日本の税金がかかります。ただし、相手国で支払った税金は、条件によっては外国税額控除により日本の税金から差し引いてもらえます*2。つまり、外国税額控除が満額受けられれば二重課税になりません。

投資信託に投資した場合

投資信託に投資した場合、投資家が直接支払う税金は、株式に直接投資した場合と変わりません。ただし、投資信託が支払う税金があるため、実質的にはそれ以上の税金を支払うことになります。この時、重要になるのがパススルー課税の有無です。
所得税は、利益を得た人に課税するというのが根本的な考え方です。ところが、投資信託は他人のお金を運用しているだけなので、投資信託が売却益や配当金を得ても、投資信託自体は儲かっておらず、実際には個々の投資家の資産が増えているだけです。このため、投資信託が売却益や配当金を得ても課税せず、投資家が投資信託を売却して利益を得たり、分配金を受け取った時に課税する制度があります。この制度をパススルー課税と呼びます。投資信託をパススルーして(通り越して)課税するという意味です。
ところで、投資家にとっては有利なパススルー課税ですが、税金を徴収する側からは課税逃れの温床にも見えます。そのため、対象となる投資信託は法律で決まっています。これは、外国の投資信託(=その国の法律に規定されていない)は、パススルー課税が適用されないということを意味します。この点が、多重課税の問題を生む原因となっています。
以下で具体的な例を見てみましょう。

日本の投資信託を通して日本の株式に投資した場合


日本の投資信託を通して日本の株式に投資した場合は、上図のように、投資信託が利益を得た段階ではパススルー課税が適用されるので、支払う税金は投資家が投資信託を売買して得た売却益と分配金に日本の税金がかかるだけです。このため、二重課税になりません。

日本の投資信託を通して外国の株式に投資した場合


日本の投資信託を通して外国の株式に投資した場合は、上図のように、投資信託が利益を得た段階でパススルー課税が適用されないので、投資信託が相手国に税金を支払わなければなりません。また、株式を直接買った場合は外国税額控除が受けられましたが投資信託を通すと受けられないため、この場合は二重課税になります。

外国の投資信託を通してその国の株式に投資した場合


外国の投資信託を通してその国の株式に投資した場合は、上図のように投資信託が利益を得た段階ではパススルー課税が適用されるので、投資信託が支払う税金はありません。投資家が直接支払う税金は、投資信託の国と日本の両方に支払う必要がありますが、投資信託の国に払った税金は外国税額控除で返ってくるため、二重課税になりません。

外国の投資信託からその国以外の株式に投資した場合


外国の投資信託を通して、その投資信託が設定されている国以外の株式に投資した場合は、上図のように投資信託が利益を得た段階でパススルー課税が適用されず、投資信託が株式の国へ税金を支払う必要があります。また、投資家が直接支払う税金は、投資信託の国と日本の両方に支払う必要がありますが、外国税額控除が適用できます。結局、この場合は株式の国と日本の二重課税になります。

日本の投資信託から外国の投資信託に投資する場合

外国の投資信託と同じ国の株式に投資する場合


日本の投資信託から外国の投資信託に投資し、外国の投資信託からその国の株式に投資した場合は、上図のように外国の投資信託が利益を得た段階ではパススルー課税が適用されるので、投資信託が支払う税金はありません。しかし、日本の投資信託が利益を得るときには、パススルー課税が適用されず、外国に税金を払わなくてはなりません。さらに、投資家が日本の投資信託から利益を得たときにも日本に税金を払わなくてはならないので、二重課税になります。

外国の投資信託と違う国に投資する場合


日本の投資信託から外国の投資信託に投資し、外国の投資信託から別の国の株式に投資した場合は、上図のように外国の投資信託が利益を得た段階ではパススルー課税が適用されず、投資信託が株式の国に税金を払わなくてはなりません。また、日本の投資信託が利益を得るときにも、パススルー課税が適用されず、投資信託の国に税金を払わなくてはなりません。さらに、投資家が日本の投資信託から利益を得たときにも日本に税金を払わなくてはならないので、なんと三重課税になります。

まとめ

長々と書きましたが、簡単にまとめると、

ということです。
特に、楽天・全世界株式インデックス・ファンドのような日本の投資信託から外国の投資信託に投資し、さらに別の国の株式に投資するような場合、合計3カ国で課税されることになるので、注意が必要です。

*1:特定口座で源泉徴収有りを選択すれば源泉徴収されますが、例外的な処置です。

*2:所得の状況によっては、外国に支払った税金が全額控除にならない場合もあります。

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