rukbatの世界分散投資

30代後半のサラリーマンが国際分散投資で早期退職を目論むブログです。

楽天・全世界株式インデックス・ファンドに乗り換える?

先月末、楽天・全世界株式インデックス・ファンドが販売されました。私はSBI証券を使っているのでもう少し待たないと買えませんが、楽天証券マネックス証券を使っている方には、すでに乗り換えた方もおられるかと思います。
他人のことはともかく、私自身はまだ決めかねています。
そこで、今回は楽天・全世界株式インデックス・ファンドのメリット/デメリットについて考えてみます。

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メリット

まず、メリットから見ていきます。

これ一本で世界中に分散投資

最大のメリットは、これ一本で世界中に分散投資できることでしょう。ホームカントリーバイアスをかけないなら、株式に配分する資金は、このファンドを買うだけで事足りるようになります。こんなに楽なことはありません。

信託報酬が最安

楽天・全世界株式インデックス・ファンドの信託報酬は、バンガードの取り分が0.11%*1楽天の取り分が0.13%(消費税込)の0.24%です。日本株を含まない点が異なりますが、三井住友・DC全海外株式インデックスファンドの信託報酬が0.27%ですので、新規の買付けを楽天・全世界株式インデックス・ファンドに変更するという選択肢は検討に値します。

デメリットは多重課税

楽天・全世界株式インデックス・ファンドの最大のデメリットは、アメリカと日本で二重に課税されることです。通常、ファンドが受け取る売却益や配当金には税金がかからず、投資家がファンドを売ったり分配金を受け取ったときに課税されます。この制度をパススルー課税と呼びます。 しかし、この制度は下手をすると脱税の温床になるため、各国の法律で適用されるファンドが決まっています。このため、ファンドが投資した株式の国籍とファンドの国籍が一致していないと適用されません。国籍が一致していなければ、両国間の租税条約か株式の国の税法に従って課税されます。
日本とアメリカの間では、租税条約が結ばれていて、日本からアメリカの株式やETFに投資すると、売却益は非課税ですが、配当金には10%の税率で課税されます。(この税金はアメリカに支払う分で、アメリカで税金を引かれたあとの利益に、日本でも20%*2の税率で課税されます。)
ただし、個人の場合はアメリカに支払った税金の一部は、確定申告をすれば外国税額控除によって返ってきます。ところが、ファンドには外国税額控除は適用されない(ファンドはパススルー課税により日本で税金を払わないため、控除できない)ため、返ってきません。つまり、個人でアメリカの株式やETFを買うと実質的に減免されていたアメリカの税金を、ファンドを通した場合は全額支払わなければならなくなります。
これがファンドを通して外国株を買った場合の多重課税問題です。特に、ETFのようにそこそこの額の分配金が出る場合、この影響をモロに受けることになります。単に信託報酬だけを見て楽天・全世界株式インデックス・ファンドに飛びつかず、多重課税の影響も踏まえて乗り換えるかを考えたいと思います。

追記
外国に投資するファンドのの多重課税についてまとめました。

*1:余談ですが、この数値は正確には信託報酬ではなく経費率と言って、証券の売買手数料や為替手数料といった経費込みの数値で、インデックス投資家の間で実質コストと呼ばれているものと同じです。日本の投資信託も、信託報酬ではなく経費率を表示してほしいと思います。

*2:復興特別所得税を除く。