rukbatの世界分散投資

30代後半のサラリーマンが国際分散投資で早期退職を目論むブログです。

ホームカントリーバイアスと全世界株式インデックス・ファンド2

前回の記事では、日本の投資信託で、「世界」とか「先進国」に日本が含まれていないということを書きました。今回はその理由について考えます。

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ホームカントリーバイアス

突然ですが、みなさんが初めて買った投資商品は何でしょうか?私の場合、15年ほど前のことなので銘柄までは覚えていませんが、日本の個別株を買いました。今でこそ世界分散投資を薦める記事が多数あり、アセットアロケーションを考えて投資を始める方も多いかもしれませんが、私が投資を始めた頃はとりあえず日本株という状況でした。私と同じようにように、とりあえず日本株または日本株に投資する投資信託を買うことが多いのではないでしょうか?
また、日本株は当然のことながら円で取引されますので、為替リスクを取る必要がありません。リスクを抑えたい場合、日本株を買うことは一応、理に適っています。このため、アセットアロケーションにおいて日本株の比率を高くしている人も多くいます。
さらに、なんとなく海外投資は怖いからという理由で日本株の比率を高くしている人もいると思います。
このように、何らかの理由で自国の資産への投資比率を高くする傾向があることをホームカントリーバイアスと呼びます。
また、逆に日本株を買わないという選択をしている人もいます。日本人の多くは日本の会社に勤め、日本の年金制度に加入し、日本円で預貯金があります。日本がダメになるとこれらの多くがダメになるので、さらに日本に投資するのはリスクが高すぎるという考え方です。

ホームカントリーの比率を制御するには?

ホームカントリーの比率を高くしたいか低くしたいかの差はありますが、とにかく比率を制御したいという需要があり、投資家の間では多数派です。
例えば、MSCI ACWIにおける日本の割合は2017年6月30日現在で7.73%(MSCI ACWI index brochureより)ですから、このような人たちがMSCI ACWIに連動するファンドを買ってしまうと、いちいちそのファンドに含まれる日本株の額を差し引いて日本株ファンドを買わなくてはならなくなります。一方、日本を除いた指数(MSCI KOKUSAIやMSCI ACWI除く日本)に連動するファンドがあれば、それと日本株ファンドを組み合わせれば好きな比率に制御できて便利なのです。
このようなことは日本だけで行われているわけではなく、アメリカのヴァンガードもVEAというアメリカ以外の先進国に投資するETFを出しています。このETFは、アメリカ人からすると、日本人にとってのMSCI KOKUSAI連動のファンドと同じく、ホームカントリーの比率を制御しやすくする意味を持ちます。

ステート・ストリートの全世界株式ファンドは買いか?

以上のような理由で全世界株式や先進国株式と名の付いたファンドから、日本株が除かれてきたわけですが、ついに日本を含む全世界株式ファンドが登場します。これ1本で日本、先進国及び新興国のすべてに投資できます。だからと言ってこのファンドを買うかというと、私は買うつもりはありません。そもそも、私は日本にバイアスをかけた投資をしているので、日本を除くファンドで充分です。また、仮に日本にバイアスをかけない投資方針だったとしても買わないと思います。
その理由は信託報酬です。0.3%以下が当たり前になっている昨今に、0.48%の信託報酬は高すぎます。これなら、三井住友・DC全海外株式インデックスファンドTOPIXファンドを組み合わせて買っておけば、半分程度の信託報酬で運用できます。全世界株式ということで、ヴァンガードのVTも選択肢になりますが、下記の記事の通り、分配金を再投資しなければならないETFより無分配の投資信託の方が有利なので、私なら三井住友・DC全海外株式とTOPIXの組み合わせを選びます。
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