rukbatの世界分散投資

30代後半のサラリーマンが国際分散投資で早期退職を目論むブログです。

GPIFの業務報告書を読んで考えたこと

先週、GPIFの平成28年度業務概況書が公表されました。ざっと読んで考えたことを書きたいと思います。
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まずは利益が出たことを喜びたい

まずは、被保険者の一人として利益が出たことを喜びたいと思います。この結果が、年金制度の安定に役立ってくれればと思います。また、世界分散投資をする者の一人としても、世界分散投資が間違いではないという安心感を与えてもらえます。
一昨年度の損失で何かと叩かれたGPIFですが、昨年度だけで一昨年度の損失を取り戻し、さらに追加の利益を積むことができました。リスクを取った投資とは、このように下がったり上がったりしながらも長期で見ればリスクを取らなかった時よりも多くのリターンを得られるものだと、私は考えています。これからも、単年度では損失が出る年もあるでしょうが、世界分散投資を続けてもらいたいと思います。

運用コストが激安

それから驚いたことは、運用コストが非常に安いことです。たったの0.03%です。世界の債券や株式に分散投資し、アクティブ投資も織り交ぜているにも関わらずこの安さですから、規模の効果が凄まじいことを物語っています。実にうらやましい。もっとも、比率としては0.03%ですが、金額としては400億円も支払っているので、運用会社も儲かっているのでしょう。
一方で、参考に記載されている海外の公的年金で、0.9%もの運用コストを支払っている機関があることにも驚きます。公的年金個人投資家並の運用コストを支払っているのは、委託先の選択を間違っているのではないでしょうか?

ポートフォリオはディフェンシブだが…

GPIFの基本ポートフォリオは、国内債券35%、国内株式25%、外国債券15%、外国株式25%と、かなりディフェンシブです。個人的には国内債券をもう少し減らして、海外株式を増やせばいいのに、と思います。短期で多少の含み損が出ただけで非難轟々という、面倒な環境なのでディフェンシブになるのは仕方のないことですが。
それよりも気になるのは、実際のポートフォリオに含まれている8.8%もの短期資産です。投資していない資金は確実にリターンの低下をもたらしています。26ページのコラムで、この先10年程度の取り崩しのために、現金化しやすいファンドを保有していると説明しており、近々の取り崩しのために短期資産を保有しているわけでもありません。この分も投資して、リターンを高める努力をすべきではないでしょうか。

ESG投資って意味あるの?

私はこういう流行に乗った投資というものに懐疑的です。それは、ESGによるプラスの効果は、既に株価に織り込まれていると考えているからです。
確かに、これまではESG投資は有効だったのでしょう。しかし、これからも有効でしょうか?ESG投資が有効という情報が流れれば、人々はESG銘柄を買い、株価が上がります。その結果、ESG銘柄の株価は割高になり、その有効性を相殺してしまいます。
要するに、「なんとかに着目した投資が有効」という情報は、その情報が広く知れ渡った途端に有効でなくなるのです。こういう情報で儲かるのは、世間が知らないときに知っていた人だけで、広く知れ渡ってから追随しても、先行者の餌になるだけだと思います。
また、こんな記事も出ています。
襲来1兆円“クジラ買い”、ESG投資本格化で期待の「7銘柄」 <株探トップ特集> | 市況 - 株探ニュース
要約すると、「GPIFがESG銘柄を買う前にこれらの銘柄を買っておいて、GPIFの買いが入ったときに値上がり益を得よう」という内容です。GPIFは株価に影響を与えるほどの資金量を持っていますので、この投資法はそれなりに有効だと思います。(今から実行しても遅いかもしれませんが。)そして、この投資法で得られる利益は、裏を返せばGPIFが高値掴みをして出した損失に他なりません。
このような理由で、GPIFがESG投資をすることに私は批判的です。

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