rukbatの世界分散投資

30代後半のサラリーマンが国際分散投資で早期退職を目論むブログです。

そのリターンを得るために、何を売ったの?

私は、何かを売った結果としてしかお金は得られないと考えています。それは、金融商品のリターンも同じことで、私達はリターンを得るために何かを売っています。基本的には安定性と流動性を売っていますが、他の何かを売っている場合もあります。少し例を挙げてみます。

普通預金と定期預金 -流動性を売る-

例えば、普通預金と定期預金はどちらもリスクがゼロの商品ですが、一般的に定期預金の方が利率が大きくなります。さらに、定期預金の中でも期間が長いほど利率も高くなります。
普通預金はいつでも現金に変えても約束した利息をもらえますが、定期預金は満期まで待つか、利息を諦めないと現金にできません。この、現金に変えにくさ=流動性を売った代金が、定期預金と普通預金の利息の差だと言えます。
三菱東京UFJ銀行金利を見ると、普通預金金利が0.001%、1年定期が0.01%です。1年間、100万円を預金した場合、普通預金で10円、定期預金で100円の利息がつきます。つまり、定期預金は、1年の間、100万円を自由に使う権利を90円で売ることと解釈できます。現状では、安すぎて定期預金を組む意味がないと私は考えています。
ちなみに、現在、三菱東京UFJ銀行は、1ヶ月定期から10年定期まですべて金利は0.01%です。この場合、1ヶ月定期が一番有利で、10年定期が一番損だという結論が導けます。

劣後社債 -安定性を売る-

次の例は、劣後社債です。ある会社が通常の社債(優先社債)と劣後社債を発行している場合、劣後社債は優先社債よりも利回りが良くなっていますが、もしその会社が不渡りを出した場合、その会社に残っている現金は、まず優先社債の支払いにあてられ、その後、劣後社債の支払いにあてられます。つまり、優先社債よりも紙くずになる可能性が高い=安定性が低い=リスクが高い代わりに、リターンが高くなっています。これは、安定性を売ってリターンを得ていると言えます。

優先株 -議決権を売る-

変わったものを売る例として優先株があります。これは、普通株に比べて配当が高かったり、会社清算時に分配が多くなる代わりに、議決権が制限された株式です。これは、議決権を売ってリターンを得ていると言っていいでしょう。

そのリターンを得るために、何を売ったの?

このように、私達はいろいろな何かを売ってリターンを得ています。そして、ほとんどの金融商品は、売った何かとリターンのバランスが取れています。これは、逆に言うと、妙に利回りのいい商品は、想定外の何かを売っているということです。そこで、「そのリターンを得るために、何を売ったの?」という質問の答えを探し、それを本当にその値段で売ってもいいのかを考えることが大切だと考えています。